ある方からDJ関連のことを書いて欲しいとリクエストがあったので、勝手に企画を作ってみました。
DJ解説と題して、好きなDJの紹介をしていこうと思います。
いつまでこの企画が続くのか・・・は不安ですが。
まず紹介するのは、Little Louie Vega。才能あふれるDJであり、Producerであります。
リトル・ルイ・ベガと発音します。ボクはよく「ルイ・ベガ」とか「リトル」とかと呼んだりします。
(まったく知り合いではないです。当たり前か。)
ボクにとっては永遠のアイドル的存在で、この人のことは書きたいことがあるのだけど、書き切れないかも。
1.見た目
名前にLittleがついているだけあって、背はそんなに高くないです(^^。
DJでプレイする時はラフな格好が多く、以前来日した時はTシャツに短パン、サンダルと近くのコンビニ行くような格好をしてプレイしてました。
彼はKeny Dope Gonzalez(ケニー・ドープ・ゴンザレス)という相方と供にMasters At Workというチームを組んでいますが、最近はあまり一緒に活動していないなんじゃないかな?
大きく分類してKeny DopeはHIP HOP、Louie VegaがHouseを担当しています。
上記は本当に大まかな分け方で、楽曲制作において、Keny DopeはよくHouseのトラックメイクをしていたりします。
2.Louie Vegaとの出会い
ボクと彼との出会いを書いてみます。
(1)初めて耳にした曲
ボクが初めて彼の作品で聴いたのは、「Ride on the rhythm」という曲。
"Little" Louie & Marc Anthonyという名義でリリースされていたと思います。
今でもクラブでかかったりするのかな?
でも、この時点ではまだLouie Vegaを意識してはなかったです。
(2)印象の強いIndiaのライブ
猛烈に彼のことをすごいと思ったのは、彼が来日した時でした。まだボクが大学2年生ぐらい。
恐らくLove & Happiness River Ocean Featuring Indiaのリリースにあわせて、Louie Vegaと彼の当時の奥さんだったIndiaのライブが新宿のLiquid Roomであったんです。
このパーティーはその後の自分の音楽観を大きく変えるものでした。
(過去を振り返るとターニングポイントなったと思うパーティーは3つあって、このリキッド・ルームのパーティーはその3つの内の1つ)
このパーティーに行った動機は知り合いのオーガナイザーが無料で入れてくれるという学生らしい不純なもので、ホントのこと言うとあまりライブ等には興味が無かったんです。
ライブでIndiaがステージに上がった時も、「顔濃いぞ~~!早く歌え~~!!」と今となっては恥ずかしいぐらいの野次を飛ばしたりしてました。
で、実際に歌うわけですよ。あのIndiaが。
まず、「I can't get no sleep」でヤられるわけです。
この直前まで興味なくて、野次っていたのに。
歌声は今まで聞いたことがないぐらいのすごさ。
圧倒的な声量、耳が張り裂けんばかりのハイトーンボイス。
「I can't get no sleep」のサビパート「トゥ・トゥルル・トゥル・トゥルル~(とボクには聞こえる)」で背中に衝撃か走ったのを今でも覚えています。
続いて「Love & Happiness」。おさまっていたはずの鳥肌が再発です。
正真正銘にボクは「狂って」ました。どんなライブでも冷静に聴く傾向にあるボクにとっては、はじめての経験でした。一緒に行った友人もボクの狂いっぷりには驚いたらしく、今でも「あの時は狂ってたね~」とネタにされるほど。
この時のLouie VegaのDJプレイはあまり記憶にないのですが、この時のライブで彼を猛烈に意識しはじめました。
(3)ニューヨークでの衝撃
時は経ち大学4年生。就職先も決まり、大学もゼミだけでればいいぐらいで時間が余りまくっていた時期でした。
ふと、思い立ってニューヨークへ行ってみたんです。
目的はLouie VegaのDJを聴くこと。
当時、水曜日にSound Factory Barというクラブでプレイしていることは有名だったので、そこへ行こうと思い立ったんです。
ニューヨークのクラブシーンとやらにも興味がありましたし。
これもターニングポイントとなったパーティーの1つでもあります。
Sound Factory Barはボクが行っていた頃の芝浦GOLDに似た雰囲気を持っていて、ドラッグクイーンやゲイがいたり、ダンサーがいたり、黒人もいれば白人もいる、多種多様な人たちがそれぞれに音楽を楽しんでいる空間でした。
無性に楽しくて黒人ダンサーの動きを真似ながら踊っていたんですが、そこでplayされたんですよ。あの名曲が。
日本では3ヶ月ぐらい後れて発売されたのでその時は曲のタイトルを知ることはできなかったんですが、今までにないリズムパターン、野太い女性ボーカル。
そしてそれに合わせてフロアにいるお客さんが歌い出すその姿には圧倒されました。
フロアにいる人たちが一緒になって歌うなんて日本ではまず見られない光景だったので、これが本場のクラブカルチャーなんだとここで衝撃を受けたんです。
その曲は「It's all right,I fell it / Nuyorican Soul feat.Jocelyn Brown」でした。
まあ、これがLouie Vegaとの馴れ初めです。といっても、こっちの圧倒的な片想いなんですが。
様々な衝撃を彼から受けたことで、ボクの中で彼はアイドルになっていったんです。
3.音楽的な変遷
ここからは音楽的な変化を書いていきます。
ボクの偏見はに満ちた視点からの動きなので、勘違いや間違いはあると思います。
指摘、突っ込みあ大歓迎ですので、コメント欄に残していってください。
Louie Vegaのすごいところは、いつもアンダーグラウンド(あえて、アンダーグラウンドという言葉を使いました)なシーンを引っ張っていくクリエイターであるということです。
自分で楽曲を生み出しているということで、DJプレイにも相乗的に効果を発揮しているのだと思います。
以下に、シーンの流れとエポックメイキングなリリースを合わせて、彼の紹介を試みてみます。
(1)初期の頃
勝手に初期の頃なんていってますが、1990年代初頭頃のことです。
上に書いたように「Ride on the rhythm」のリリースなど、いい意味でも悪い意味でもハウスらしい曲作りをしていたと思います。
ハウスDJならもって無くてはいけないであろう名曲「I can't get no sleep」もこの頃にリリースされていました。
いわゆる"4つ打ち"にヴォーカルを乗せるという王道のスタイルですね。
ハウスの傾向として、この頃から上のようなヴォーカル入りの楽曲はマンネリ化しつつあり、ボーカルをは排除した民族打楽器の要素の入ったトラックがリリースされるようになります。(あ~、こんなに断定して記述してしまっていいのか?)
そうして、トライバル・ハウスという呼び方が定着していきました。
ちょうど、ハウスというダンススタイルも確立しつつある時期で、よりリズムに着目したトライバルハウスは市民権を得てきました。
Louie Vegaのリリースではないですが、「GINGO」等がその時の代表作だと思います。
(2)民族打楽器と歌モノの融合
より踊ることに重点を置いたトライバルなベクトルと、より音楽的に純化しようという歌モノのベクトル。その2つの相反するベクトルを融合させて楽曲が生まれます。
それが「Love & Happiness featuring River and Ocean」です。
Louie Vegaのプロデュースでボーカルには彼の奥さんでありサルサシンガーだったINDIAを起用します。
また、パーカッションにはこれまたラテン界の重鎮tito puenteをフィーチャーします。
歌詞にはヨルバ語が用いられたのも斬新で、ボクも含めたハウスDJ達はこぞってレコード屋に走ったものでした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%AB%E3%83%90%E8%AA%9E
(3)ジャズとハウスの融合
ジャジーハウスという言葉を流行らせたのも、Louie Vegaです。
エポックメイキングな楽曲としてmondo grossoの「Souffle H」をリリースしています。
管楽器等を多用したメロディアスなメロディラインを活用したハウスで、日本ではスパイスというダンスチームがこのジャジーハウスを使用してショーを行っていました。
(4)Nuyorican Soul
クラブシーンではジャングルというジャンルが衰退しつつある時期です。
日本ではちょうどジャングルが流行り始めていて、H jangle with tで小室哲也とダウンタウンの浜ちゃんが「wow wow tonight」をリリースしてました。
その頃、Louie Vegaもこう思っていたはずです。
「あ~、4つ打ちのハウスも飽きちゃったよ。なんか違うことやりてぇーな」って。(推測です。)
そんな中、自身のルーツに立ち返り「Nuyorican Soul」という名義で「Nuyorican Soul」というアルバムを発表します。
ボク達は勝手に「ニューヨリカン・ビート」と呼んでいましたが、これは一般的な4つ打ちとはまったく異なる変則的なリズムパターンを特徴とし、かつ生の打楽器を使うのを特徴にしています。
また、ハウス以外にもジャズやラテン、HIP HOP等のあらゆる音楽的要素を取り入れています。
Nuyoricanはプエルトリコ(プエルトリカン)をルーツに持つニューヨーク在住の人の造語というのは有名な話です。
話は変わりますが、ジャングル(今はドラムンベースがとってかわってます)だったり2stepだったりという変則的なリズムパターンは4つ打ちのマンネリを打破するための触媒にはなりますが、一時の流行で終わり、あまり定着はしないですね。
(5)そして「Elements Of Lofe」
時は流れて歌モノ、ラテン、ジャズ等の要素を含んだこれまたエポックメイキングな楽曲をリリースします。
それが「Elements Of Lofe」です。
ピアノのインストで始まる楽曲は、男性voと女性voの掛け合い、そしてピアノのソロでブレイクするといったハウスの王道の流れを意識しながらも、新しい要素を加えたある種集大成的な楽曲に仕上がっています。
その後は同タイトルのアルバムを発表しますが、これはカリブ海から南米的な音楽要素をひとつにまとめ上げた傑作となっています。
ハウスDJはその後に発売されたアナログである「Elements Of Lofe:extensions」の購入は必死でしょう。
(6)最近の傾向
最近はあまりレコードを購入したりしていないのでよくわかないのが正直なところ。
レコード買わないと。。。
と、まぁ勝手な想像も含めてLittle Loue Vegaを紹介してみました。
思い込みで書いているところも多分にあるので、間違いはあるでしょう。
最後にこの記事で挙げたアルバム達を紹介しますので、興味あったら購入して聴いてみてください。
リリースが古いのもあるので、都内の外資系CDショップ(HMVやTOWER RECORD等)でも置いていない可能性がありますので、amazonから購入するのが確実だと思います。
上のように能書きは垂れてますが、やっぱ音楽は聴いてナンボだと思いますので。
amazonへのリンクなので全てCDで手に入ります。
初めて耳にしたLouie Vegaの作品
I can't get no sleep(古いので画像は表示されないようです)
N.Y.で聴いたNuyorican Soul
集大成的なElements of Life
Element of Lifeが気に入ったらこちらも。Elements of Life:extensions