著者であるダースレイダーの視点からMCバトルの歴史をひも解いている本。
- 作者: DARTHREIDER
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/06/22
- メディア: 単行本
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MCバトルをやる側であり、初期からMCバトルに触れているダースレイダーがこのような本を残すというのが素晴らしいと思います。 内容も素晴らしくて、MCバトルの評価観点が変化するにつれて、様々な変遷を経ているのがよくわかりました。
2013年に開催された第3回高校生RAP選手権からフリースタイルバトルにはまった私なので、今のフリースタイルダンジョンに近い、スポーツ的なバトルから馴染みました。 なので、韻を踏む、フローを入れる、アンサーする、パンチラインをあてるとか、MCと観客の双方で今の洗練されたMCバトルが育っていったというのが理解できました。
また、タマフルでウタマルさんが語っていたけど、ちゃんと技術的な解説を記述しているのが良いです。 バトルの文字起こしから、誰がどのように韻を重ねて、その時にラッパーが何を語っていったかが詳しく書いてあります。
ダースレイダーと宇多丸『MCバトル史から読み解く 日本語ラップ入門』を語る
私はリアルというのが何かというのが、おぼろげながら理解することができました。 スポーツ的なMCバトルでステージ上で勝つためならなんでもありというのとは対照的に、MCバトルは実生活の延長であるのがリアルなんだと。 そういうのがわかると、この本にもあった第10回高校生ラップ選手権のMCニガリvsT-Pablowの試合も理解しやすいです。 また、同様にフリースタイルダンジョンの晋平太vs漢のバトルも理解しやすいと思います。
MC☆ニガリT-pablowとプライベートに溝!?一体何があったの
【晋平太vs漢】フリースタイルダンジョン 2人の因縁の解説あり【神回】 | 【B速】日本語ラップ情報サイト
タマフル等で自分のHIP HOPリテラシが高くなったと思ってましたが、まだまだ勉強が不足していると痛感しました。
HIP HOPの世界は面白いです。