ブクマされてた記事のリンク先にあった「わかば対談」が面白いっす。気になる方は読んでみてください。
プロミュージシャンと音楽と真面目に付き合っている子供がトークするという内容です。
第1回がマーティ・フリードマン、第2回が佐久間正英。どれも興味深い内容です。
トークしているテーマは音楽に関することなんですけど、ついついダンスやDJに置き換えて読んでました。
第1回目のマーティ・フリードマンの中から。
マ:あのね、偉そうなこと言うけど、プロのミュージシャンでこういう問題よくあるじゃん。難しくて楽しいフレーズとかプレイはすごく上手いんだけど、地味でシンプルなところは弾けなくて困るということがたくさんある。これ、ほんとに困る。プロの現場でいっぱいある。だから基礎の練習が大事なの。基礎をこっそりやっていたほうがいいです。
(中略)
特にロックのなかには、テクニカルなところはすごく上手くても、他の9割くらいのヒット・ソングのバッキングはできないということがよくあるんです。とにかくミュージシャンの仕事するんだったら、難しくて楽しいところだけじゃなくて、基本がすごく大事。超絶技巧は感動するんだけど、それだけだとダメです。実際の仕事だと、超絶技巧が必要なのは、0.001パーセントくらいじゃないかな。
ダンスも基本は大事なんでしょうね。パドブレとかルーズレッグとか、もっと基本的なアイソレーションとか、さらにはプリエ、アン・オーとかそういう基礎ができてないといけないんでしょうね。
特に、「実際の仕事だと、超絶技巧が必要なのは、0.001パーセントくらいじゃないかな。」というのが印象的です。
マ:楓太くんにとってギターってなに?
楓:え、えーっと、勉強ができないから、僕の武器、かなあ。
マ:お~。それはロックだよ。
楓:じゃあ音楽を始めたころのマーティさんにとっては、ギターってなんでしたか?
マ:そりゃ、決まってるじゃん。女の子にもてるための道具じゃん。
ボクの場合、DJなんて、モテたくてやり始めたようなものですもんねー。結果としては全くモテなかったのは言うまでもないんですけど、やりはじめのキッカケってこんな風に不純なものかもしれませんね。
ま、ハウスのDJはスクラッチのようなトリックプレイをあまりやらないので、派手には見えず知らない人からはウケが良くないというのもあるのかな?(と、モテなかった原因をハウスの地味さのせいにしてみたりして)
以前、A-BOYさんとモテ談義をした時に「モテる奴がダンスをやるとさらにモテるだけ。モテない奴は変わらずモテない。」と力説しているのを思い出しました。
そして、第2回の佐久間正英から。
佐:さっき、楽器の演奏は物理的で技術の問題だと言ったけれど、だからこそ、音楽は音楽以外のことが大事なんですよ。
け:音楽以外のことというのは?
佐:楽器を演奏する技術以外のものです。恋でもいいし、友人関係でもいいし、他の芸術に関する知識でも、もしかしたら家出とかでもいいかもしれない。とにかく音楽以外のことをたくさん知ったり経験していないと、いい音楽は絶対にできない。僕がプロデュースをするときも、プロデュースというのは、それぞれのバンドが“やりたいこと”を実現するためのお手伝いなんです。その“やりたいこと”というのは楽器の演奏じゃないし、楽器を練習しているだけでは出てこないものなんです。だから、音楽以外のことも大切なんです。
この言葉は、深いと思いました。ダンスやDJでも、何を感じてどんなことを表現したいのかが大切なんでしょうね。トークでは音楽や楽器の話をしているんですけど、色々なことに置き換えて読んでしまいます。
け:将来、プロのミュージシャンになろうと思っているんですけれど、どうすればいいですか?
佐:うーん、無理かもしれないなあ。
け:(ショックを受けたように)えっ!
佐:いやいや、君が下手とか、そういうわけではないんです。
け:となると?
佐:あのね、プロのミュージシャンって、「目指す」ものじゃないんですよ。偶然、なってしまうようなものなの。
け:偶然……。
佐:そう。もちろん、演奏が誰よりも上手ければ、それで注目を集まるから、その偶然の確率は上がるよね。でも、ものすごく上手くてもプロになれない人もいるし、正直、上手じゃなくてもプロになれちゃう人もいる。
最近、プロのダンサーという職業について考えていたので、とてもタイムリーな話でした。
あ、ボクがプロになりたいというわけではないですよ。念のために。
「偶然(プロに)なってしまう」というのは、運命のイタズラなのかもしれません。
また、「ものすごく上手くてもプロになれない人もいるし、正直、上手じゃなくてもプロになれちゃう人もいる。」というのも事実なんでしょう。
プロとアマチュアの境界線っていうのも、曖昧なものなのかもしれないなと思ったりもしました。