所有している約1000枚のアナログレコードをデジタル化しました。いやー、長い道のりでした。
東京オリンピックが終わり、衆議院が解散した2021年秋。この時期にアナログレコードをデジタル化するという人は少ないかもしれませんが、そのノウハウを以下にまとめておきます。
(写真は私の所有レコードです。LEX BOXに収納してるのを撮影しました。)
所有しているアナログレコード:12インチのハウスがメイン
所有しているアナログレコードは12インチシングルという形式のレコードです。
ジャンルはハウスミュージックがメインで、関連してヒップホップやドラムンベース、テクノ、トランスなどを所有しています。
用意する機材
オーディオインターフェイス
ターンテーブル、針といったレコードを再生する機材、デジタル化するためのパソコンは言わずもがな。
追加で必要なものはオーディオインターフェイスです。
オーディオインターフェースの役割はターンテーブルとパソコンを仲介することです。レコードのアナログなものをパソコンで扱えるデジタルデータに変換する機器がオーディオインターフェイスです。
私は以下の「Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD r2」を購入しました。
この機器を購入したのは他の製品と比較して以下が魅力的だと考えたためです。
- フォノイコライザーが付いている
- 24bit/96kHzの高音質で録音できる
- 録音用のアプリケーションが付属している
- 8000円弱とお手頃価格
ポイントはフォノイコライザー付きで、24bit/96kHzで録音可能というところです。
アナログレコードの音を増幅させるためのフォノイコライザーは必須です。これがないと、音が小さくて録音できません。フォノイコライザー付きのアンプを別途用意するぐらいなら、フォノイコライザー付きのオーディオインターフェイスを用意した方が良いです。
また、せっかく録音するので24bit/96kHzの高音質はあった方が良いです。一般的なCDだと16bit/48kHzなので、CDだと再現できないような繊細な音が拾えると考えました。(実際に聴いても、自分の耳だと聴き分けることはできませんが、、、。)
レコード針は交換する
レコード針を交換するのはおすすめです。
使い古したレコード針だとすり減ってレコードの音をうまく拾えないこともありますので、レコード針を交換して良い音で録音するのがおすすめです。
私はOrtofon Concorde Night Club Eを使用しました。ハウスやテクノのような4つ打ちには定番の針です。
アナログレコードデジタル化に向けて大事な心構え
数多くのレコードをデジタル化するには、時間とそれをこなせる精神力が必要です。
そこで、大事になってくるのは心構えです。
全ての曲をデジタル化しようと思わない
最初は張り切って、全ての曲をデジタル化しようと考えていました。
ですが、これは考えない方が良いです。
例えば、1つの曲でA面にA1、A2という2つのリミックスがあるとします。同様に、B面にもB1、B2という2つのリミックスがあるとします。この中からよく聴いたA1とよくプレイしたB1だけをデジタル化するぐらいで考えていた方が良いです。
全ての曲をデジタル化しようとすると、途中で嫌になってしまいます。私の作業での経験ですが、アナログレコードで聴かなかったリミックスは、デジタルになっても聴かないです。
曲の始まりと終わりはルーズで良い
デジタル化した音源を再生した際、再生したらすぐにキックが入るようなのが理想です。
でも、実際にデジタル化している際は録音開始のボタンを押してから、レコード針を置くことになるとします。そうすると、曲の始まる空白部分が長くなります。
また、終わりもフェードアウトで終わる曲も多いです。フェードアウトは終了するポイントがわかりにくいので、曲が終わった後も空白が多く録音しがちです。
ただ、これらはあまり気にしなくて良いです。デジタル化してしまえば、後でどのようにでも編集できます。
アナログレコードのデジタル化で気をつけること
録音レベルを注視する
この録音レベルに気をつけるというのが、最も大事なことだと思います。
なぜ、最も大事かというと、録音レベルが高すぎて0dbを超えると音が割れてしまうからです。音が割れてしまうと、どんなことをしても今の技術では元に戻せません。0dbを超えるぐらいなら、少し低めの録音レベルにしておいて、デジタル化してからノーマライズという手段で補正した方が良いです。
ただ、この録音レベルの調整は最も面倒なんですよね。常にレベルメーターを気にする必要がありますから。
さらにやっかいなことに、レコードは1枚1枚レベルが異なります。もっというと、同じ盤面にある曲でも、違うミックスはレベルが異なります。なので、私は1曲ずつレベルを確認してデジタル化していました。
具体的には何箇所かに針を落として、レベルメーターを確認していました。ほんと、これが一番面倒だと思います。
私が使用していた無料の「スマート・レコーダー」というアプリは、レベルのピークを検知したら自動で録音レベルを下げてくれる機能があります。私はその機能をフルに活用していました。
アナログレコードデジタル化中は席を離れない
アナログレコードのデジタル化中はあまりやることがありません。だからといって、パソコンの前から離れてはいけません。
というのも、針飛びするかもしれないからです。実際に私はこの針飛びを経験しました。経験的に70枚に1枚ぐらいの割合で針飛びしましたと思います。
ターンターブルのセッティングだとか、レコード盤の状態によって針飛びする状況が変わると思いますので、作業中に席を離れてはいけません。
ピッチはプラス・マイナスゼロ
ピッチはプラス・マイナスゼロのオリジナルピッチにします。テンポが遅いからといってピッチを速めたりすると、オリジナルの音から変わってしまいますから。
こういう編集はデジタルでどうにでもできますので、レコード再生はピッチはプラス・マイナスゼロで行います。
ファイル名はDiscogsを活用する
デジタル化したファイルは以下のようにアーティスト名等の情報を付与して管理しています。
「アーティスト名 - 曲タイトル(レミックス名).wav」
そこで、ファイル名はDiscogosというサービスを活用します。
本来は自分のレコードコレクションを管理して、個人間で売買したりすることを目的としたサービスです。ですが、ダンス系のレコードは、ほぼ網羅されています。なので、キーワードで検索してアーティスト名などはコピペしていました。
また、自分の持っていた曲も把握することを目的に、コレクション機能も活用していました。
忘れずにバックアップする
せっかくデジタル化したファイルが消えては悲しいです。そこで、バックアップを取得します。といっても、バックアップはアナログレコードデジタル化に限った話ではないですが。
バックアップは外付けのHDDに取得していました。
できれば、一定周期にバックアップを自動で動かすというのがいいです(例:深夜2:00になったらバックアップ開始する等)。ですが、私は気がついたときにバックアップしていました。
編集に向けて
編集に向けて、音楽編集用のアプリがあると効率良さそうです。